ガンプラのソリッド塗装とは?|ムラなく均一に仕上げるエアブラシ塗装を実例解説

02|塗装技法 / SOLID PAINTING

ガンプラのソリッド塗装とは?

陰影を強く残さず、各色を均一に発色させて面を整える基本塗装。
シンプルですが、色分けと塗膜の均一さで完成度が大きく変わります。

ソリッド塗装は、ガンプラの各パーツを狙った色へ均一に塗り、面全体の発色をそろえる塗装方法です。

立ち上げ塗装のように下地を意図的に残して陰影を作るのではなく、基本は面全体へ同じ色を乗せていきます。いわゆる「ベタ塗り」に近い方法ですが、実際には単純に塗料を厚く吹けばよいわけではありません。

ソリッド塗装のポイントは「一度で隠す」のではなく、「薄く重ねて均一な発色へ近づける」ことです。

ソリッド塗装と立ち上げ塗装の違い

比較ソリッド塗装立ち上げ塗装
狙い面全体の色を均一にそろえる下地を残しながら陰影を作る
見え方色面が整理され、すっきりした仕上がり中心と端で明暗差が出やすい
吹き方面を広く見ながら薄く重ねる狙った部分へ少量ずつ色を置く
相性設定色、鮮やかな配色、色分け重視重厚感、陰影、使用感を強調したい仕上げ

どちらが上というものではありません。作品の方向性で選びます。今回の実例では、RX-78F00、MGバルバトス、1/100シュヴァルベグレイズ、MGEXストライクフリーダムの4作を使って、ソリッド塗装でも仕上がりに幅が出ることを見ていきます。

下地は完成色に合わせて考える

ソリッド塗装でも下地は重要です。暗い下地は完成色を重く見せやすく、明るい下地は発色を出しやすくなります。実際の制作でも、グレーサーフェイサーから明るい外装色へ進める場合と、ブラックサーフェイサーから暗色へ進める場合を使い分けています。

サーフェイサーの役割や希釈、エア圧については別ページで詳しく扱っています。ここではソリッド塗装そのものに絞ります。

ムラなく均一に塗る基本

ソリッド塗装では、1回で完成色まで持っていこうとすると塗料が一部に集まりやすくなります。最初は下地が少し見える程度でも構いません。パーツ全体へ薄く吹き、乾燥を挟みながら何回か重ねる方が安定します。

  • 最初から完全発色を狙わない
  • 同じ場所へ長く吹き続けない
  • パーツの端・奥まった部分も確認する
  • 塗面が濡れすぎたら追加で吹かず、一度乾燥させる
  • 最後は左右のパーツを並べ、色の濃さがそろっているか確認する

希釈、エア圧、距離、塗料量の基本は、先にエアブラシ基本ページでまとめています。

ソリッド塗装でも色分けで情報量は作れる

ソリッド塗装というと「一色をベタッと塗るだけ」という印象がありますが、実際の制作では同系色を使い分けたり、パーツ単位で色を変えたりすることで十分に情報量を増やせます。

白い外装でも、白と少し濃いグレーを使い分ければ面の違いが分かりやすくなります。MGEXストライクフリーダムのようにホワイト、ブルー、ブラック、レッドなど複数色を組み合わせれば、すべてソリッド塗装でもかなり複雑な完成形になります。

CASE 01|1/100 RX-78F00 ガンダム

市販色のみ・混色なしで仕上げる再現性の高いソリッド塗装。

ソリッド塗装で仕上げた1/100 RX-78F00 ガンダム
市販カラーを使い、全塗装とスミ入れで仕上げたRX-78F00。

RX-78F00では、色の調合を行わず市販カラーのみで塗装しています。本文でも「缶スプレーでも再現可能なソリッド塗装」として制作しており、ソリッド塗装の入口として分かりやすい作例です。

白・青・赤・黄・グレーと複数色を使っていますが、一色ごとの役割は明確です。まず均一な面を作り、その上でスミ入れによってモールドを強調しています。

CASE 02|MG バルバトス

白系外装を複数のグレーで塗り分けるソリッド塗装。

MGバルバトスの白系外装をソリッド塗装した作例
外装の白系塗装。灰色9号とエアクラフトグレーを使い分け。
ソリッド塗装で完成したMGバルバトス
ウェザリングを行わず、ソリッド塗装の色面をそのまま生かした完成状態。

MGバルバトスでは、メインのホワイトと塗り分けのグレーをエアブラシで塗装し、部分的に缶スプレーも併用しています。外装の白系塗装には灰色9号を基本に、エアクラフトグレーで変化を付けています。

立ち上げ塗装のような陰影を作らなくても、同系色を使い分けるだけで面の情報量を増やせることが分かります。

CASE 03|1/100 シュヴァルベグレイズ

ソリッド塗装+スジボリの塗り分けで、シンプルな面に情報を足す作例。

1/100シュヴァルベグレイズのソリッド塗装工程
クレオスのラッカー塗料をエアブラシで吹き付けて塗装。
ソリッド塗装を終えた1/100シュヴァルベグレイズ
ソリッド塗装後。追加したスジボリも塗り分けている。

シュヴァルベグレイズの記事では、バルバトスと同じくソリッド塗装で進めています。クレオスのラッカー系塗料をエアブラシで吹き、本文でも「ソリッド塗装なので比較的サクサク作業が進む」としています。

単純に全面を同色にするのではなく、追加したスジボリを塗り分けることで、シンプルなソリッド塗装へディテールを足しています。

CASE 04|MGEX ストライクフリーダム

複数のソリッドカラーを組み合わせて、複雑な外装を整理する作例。

MGEXストライクフリーダムの外装をソリッド塗装した作例
ホワイト系外装はグレーサーフェイサーから灰色9号へ。部分的にガルグレーも使用。

MGEXストライクフリーダムでは、ホワイト、ブルー、ブラック、レッド、グレーなどを、それぞれソリッドカラーとして使い分けています。外装の白系には灰色9号とガルグレー、ブルーにはコバルトブルー、ブラックにはウイノーブラック、レッドにはモンザレッドを使用しています。

一色ずつ見れば均一なソリッド塗装ですが、複数色を組み合わせれば完成時の情報量はかなり増えます。「ソリッド塗装=単調」というわけではないことが分かりやすい作例です。

よくある失敗と見直すポイント

症状確認するポイント
一部だけ色が濃い同じ場所へ長く吹き続けていないか。1回の塗料量を減らし、重ねる回数で調整する。
端や奥だけ下地が見える正面だけでなく、角度を変えて端・裏・凹部を確認する。
左右で色が違う左右パーツを別々に完成させず、同じタイミングで塗り進める。
表面がザラつく距離、塗料の濃度、エア圧、吹き付け量を見直す。
塗料が垂れる一度に塗りすぎ。濡れすぎたら追加で吹かず乾燥させる。

ソリッド塗装の後は何をする?

ソリッド塗装だけで仕上げても成立します。MGバルバトスのようにウェザリングを行わず色面をそのまま見せる方法もあります。

一方で、スミ入れ、デカール、トップコート、ウェザリングを加えると、同じソリッド塗装でも完成時の印象は変わります。まず均一な基本塗装を作り、その後の工程で作品の方向性を決める考え方が使いやすいです。

陰影を付けたい

下地を残しながら色を置く「立ち上げ塗装」へ。

使用感を加えたい

完成した塗装面へ汚れや傷を加える「ウェザリング」へ。

まとめ|ソリッド塗装はガンプラ塗装の基準になる

ソリッド塗装は、派手な特殊効果を使わず、面全体の色を均一にそろえる基本技法です。その分、塗膜のムラや色の違いがそのまま見えやすく、エアブラシ塗装の基礎を確認するには非常に分かりやすい方法でもあります。

RX-78F00のように市販色だけで再現性を重視する方法、バルバトスのように同系色で面を分ける方法、シュヴァルベグレイズのようにスジボリと組み合わせる方法、MGEXストライクフリーダムのように複数色を積み重ねる方法まで、ソリッド塗装だけでもかなり幅があります。

まずは一色をムラなく塗る。その基本が安定すると、立ち上げ塗装、グロス塗装、メタリック塗装など次の技法へ進むときにも判断しやすくなります。

最後に実作業の流れを5 STEPで確認

ソリッド塗装は工程自体はシンプルです。迷ったら、次の5段階で進めると流れを整理しやすくなります。

STEP 01

下地を整える

表面処理とサーフェイサーを終え、完成色に合わせて下地を選びます。

STEP 02

1回目は薄く吹く

最初から完全発色を狙わず、パーツ全体へ薄く色を乗せます。

STEP 03

乾燥を挟んで重ねる

色ムラを確認しながら数回に分けて吹き、均一な発色へ近づけます。

STEP 04

左右パーツを並べて確認

腕・脚など左右で対になるパーツを並べ、色の濃さや塗り残しを確認します。

STEP 05

十分に乾燥させて次工程へ

塗装面が安定してから、スミ入れ・デカール・トップコート・ウェザリングなど次の工程へ進みます。

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エアブラシの操作を確認

希釈・エア圧・距離・塗料量を見直したい場合はこちら。

陰影を加える

均一塗装から一歩進み、下地を残して陰影を作る方法です。

使用感を加える

完成した色面に汚れや傷を加えて表情を変えます。

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