01|基本講座 / AIRBRUSH BASICS
ガンプラのエアブラシ塗装 基本
希釈・エア圧・距離・塗料量・吹き方・洗浄。
私が実際に使っている条件を基準に、最初の1体を塗るために必要なことを整理します。
エアブラシは、ただ塗料を細かく吹き付けるための道具ではありません。塗料の量、空気の圧力、パーツとの距離を調整することで、均一なソリッド塗装から細吹き、立ち上げ塗装まで幅広く使えます。
私自身、ガンプラの全塗装では長くエアブラシを使っています。現在のメインはタミヤ HGエアーブラシIII スーパーファイン 0.2mm、コンプレッサーはMr.リニアコンプレッサー L5。普段のエア圧は約0.1MPaを一つの基準にしています。
0.2mm・0.1MPaが唯一の正解という意味ではありません。
この記事では、私が普段の制作で使っている条件を「実例の基準」として紹介します。塗料、ノズル径、気温、吹き方によって調整は必要です。
エアブラシを買う前の話と、実際の使い方は分けて考える
すでに公開している「ガンプラ塗装にエアブラシは必要?」では、缶スプレーとの違いや、どんな機材が必要かといった導入部分をまとめています。
このページではその先へ進み、実際にエアブラシへ塗料を入れて、パーツを塗り、最後に洗浄するまでを扱います。
まず必要になるもの
| 道具 | 役割 | 私の使用例 |
|---|---|---|
| ハンドピース | 空気と塗料を吹き付ける | HGエアーブラシIII スーパーファイン 0.2mm |
| コンプレッサー | 圧縮空気を供給する | Mr.リニアコンプレッサー L5 |
| レギュレーター | 圧力の確認・調整、水分対策 | 圧力を見ながら約0.1MPaを基準に調整 |
| ホース | コンプレッサーとハンドピースを接続 | 接続規格を確認して使用 |
| 塗装ブース | ミストや溶剤臭を屋外へ排気 | 換気しながら使用 |
| 塗料・薄め液 | 塗装と粘度調整 | 塗料や工程に合わせて選択 |
| 洗浄用品 | 色替え・作業終了後の洗浄 | 使用塗料に適した薄め液やクリーナーを使用 |

私が普段使っている基準
HGエアーブラシIII スーパーファイン 0.2mm
細い範囲を狙って吹きやすいため、私は部分吹きや立ち上げ塗装で使いやすいと感じています。MG中心の制作でも、装甲面の中央だけへ色を置くような塗装では0.2mmをよく使います。
Mr.リニアコンプレッサー L5
長く使っているコンプレッサーです。この記事では機種そのものを比較するのではなく、L5を使った私の実際の塗装条件を基準に説明します。
普段のエア圧は約0.1MPa
私の場合、基本塗装や立ち上げ塗装では約0.1MPaを基準にしています。そこから塗料の状態や吹きたい範囲に合わせて調整します。
STEP 1|塗料を希釈する
瓶入り塗料をそのままエアブラシへ入れると、粘度が高すぎてきれいに霧化できないことがあります。そのため、塗料に合った薄め液を加えて吹きやすい状態へ調整します。
ただし「必ず○倍」という一つの数字で全部を決めるのは難しいです。塗料の種類、残量、保管期間、ノズル径、吹き方でも状態は変わります。最初はメーカーの指定を基準にし、実際の霧の細かさや塗面を見ながら調整します。
実測例:瓶サーフェイサー
Mr.サーフェイサー1200をエアブラシで使った記事では、1:1の希釈、0.3mmノズル、エア圧約0.1MPaで実際に吹いた結果をまとめています。サーフェイサーは通常の塗料とは性格が違うため、詳しい数値は別ページで扱います。
STEP 2|エア圧を設定する
エア圧は、塗料をどのくらいの勢いで霧化して吹き付けるかに影響します。私は約0.1MPaを普段の基準にしています。
高すぎる場合
- 塗料が広い範囲へ飛びやすい
- 細吹きで狙いにくくなる
- ミストが周囲へ回りやすい
低すぎる場合
- 塗料がうまく霧化しないことがある
- 粒が粗くなることがある
- 粘度が高い塗料では詰まりやすくなる
数字だけを合わせるのではなく、実際に吹いた霧と塗面を見て判断することが大切です。
STEP 3|距離と塗料量を決める
| 状態 | 起こりやすいこと | 見直すポイント |
|---|---|---|
| 近すぎる・出しすぎる | 塗料が一か所へ集まり、垂れやすい | 距離を少し離す/塗料量を減らす/手を止めない |
| 遠すぎる | 塗料が届く前に乾き、ザラつきやすい | 少し近づける/エア圧・希釈も確認 |
| 同じ場所へ吹き続ける | 局所的に厚くなる | ハンドピースを動かしながら吹く |
STEP 4|基本の吹き方
- 最初にテスト吹きをする。 紙やテストピースで霧の状態を確認します。
- パーツの外側から動かし始める。 一点に塗料が集中しにくくなります。
- 手を動かしたままパーツを通過する。 同じ場所で止めません。
- 一度で完全発色させない。 薄く吹き、必要なら乾燥を挟んで重ねます。
- 全体を見て止める。 塗れば塗るほど良くなるわけではありません。
特に立ち上げ塗装では「どこまで吹くか」より「どこで止めるか」が重要です。
以前の制作で撮影したエアブラシ塗装の動画です。塗料を一度に乗せ切らず、ハンドピースを動かしながら少しずつ色を重ねる様子を確認できます。
ソリッド塗装と細吹きでは、エアブラシの使い方が変わる
ソリッド塗装

面全体の色をそろえる塗装です。何回か薄く重ねながら、ムラなく均一な発色へ近づけます。
細吹き・立ち上げ塗装

狙った部分へ少量ずつ色を置きます。私が0.2mmをよく使うのは、このような部分吹きが多いためです。
塗装後は必ず洗浄する
エアブラシは塗って終わりではありません。カップやノズル周辺に塗料を残したままにすると、次回の詰まりや吹き始めの不調につながります。
色を替えるとき
カップ内の塗料をできるだけ戻すか捨て、使用した塗料に適した薄め液でカップ内を洗います。残った色が次の塗料へ混ざらないところまで確認します。
作業を終えるとき
色替えより丁寧に洗浄します。うがい洗浄だけで終わらせず、塗料の残り方を確認しながら必要な部分を清掃します。ニードルを扱う場合は先端を曲げないよう注意します。
よくある失敗と確認する順番
| 症状 | まず確認すること |
|---|---|
| 塗料が出ない | 塗料の粘度、ノズルの詰まり、ニードル位置、エア供給 |
| 粒が粗い | 希釈不足、エア圧不足、距離 |
| ザラザラになる | 距離が遠すぎないか、塗料が乾いてから付着していないか |
| 垂れる | 距離が近すぎないか、塗料を出しすぎていないか、同じ場所で止めていないか |
| 突然水滴が出る | レギュレーターや水抜き、ホース内の水分を確認 |
| 蜘蛛の巣状に飛ぶ | 塗料が濃すぎないか、乾燥が速すぎないかを確認 |
一度に全部いじると原因が分からなくなります。私はまず塗料の状態 → エア圧 → 距離 → ノズル周辺の順で確認するようにしています。
安全に塗装するための環境
- 塗装ブースを使って排気する
- 部屋の換気を行う
- 塗料や薄め液の安全表示に従って適切な保護具を使う
- 皮膚への付着を減らすため手袋を使用する
- 飛沫対策として必要に応じて保護眼鏡を使用する
- 火気の近くで溶剤系塗料を使用しない
私は塗装ブースで換気しながら作業しています。作業環境そのものを無理に公開するのではなく、このページでは安全に関係する基本事項を優先して整理します。
エアブラシの基本を覚えたら、塗装技法へ進む
エアブラシは、それ自体が完成形の技法ではありません。希釈・エア圧・距離・塗料量をコントロールできるようになると、その先にさまざまな塗装表現があります。
サーフェイサー
塗装前の下地を整える基本工程。
立ち上げ塗装
下地を残しながら陰影を作る細吹きの応用。
グロス塗装
表面状態と塗膜を整えて光沢を生かす塗装。
まとめ|最初に覚えるのは「数値」よりコントロール
私が普段使っている0.2mmノズル、約0.1MPaという条件は、エアブラシ塗装を考える一つの実例です。大切なのは、その数字をそのまま真似することではなく、塗料の希釈、エア圧、距離、塗料量を一つずつ調整し、狙った塗面を作れるようにすることです。
最初は均一に塗るだけでも十分です。慣れてくると、同じエアブラシで部分吹き、立ち上げ塗装、グロス塗装などへ表現を広げられます。このページも今後、実際の制作や検証で得た結果を追加していきます。