ガンプラのウェザリングとは?
チッピング、ウォッシング、ウェザリング材、スス汚れ。どれも「汚す」ための作業ですが、役割は同じではありません。ここでは実際に制作した作品を使い、どの汚れをどの方法で加えたのかを整理します。
ウェザリングは、単に機体を汚す作業ではなく、「どこが傷み、どこが汚れるか」を考えて使用感を加える工程だと考えています。
MG F2ザクでは、缶スプレーでソリッド塗装したあとに、ウォッシング、スポンジによるチッピング、ウェザリング材を使って仕上げています。基本的なウェザリングは筆・スポンジ・綿棒だけでも十分に行えます。
傷・塗装剥がれ
スポンジや筆でエッジへ細かな点を置きます。
全体の汚れ・色ムラ
薄めた塗料を全体へ広げ、拭き取りながら残します。
土・スス・サビ
汚れる場所を意識して粉状・ペースト状の材料を重ねます。
局所的なスス・オイル
エアブラシを使う場合は、バーニアや関節へ薄く汚れを吹きます。
缶スプレー塗装からでも、ウェザリングはできる

F2ザクは、エアブラシを使わずに同じような仕上がりを作れることを意識して制作した作品です。基本塗装は缶スプレー中心で、ソリッドな塗装面へウェザリングを加えています。
手軽に始められる一方、当時の制作では「エアブラシより缶スプレーの方がコストは掛かった」と感じました。道具が少なくても始められることと、ランニングコストは別問題でした。
チッピング|エッジに塗装剥がれを作る
チッピングでは、メラミンスポンジや短く切った筆にエナメル塗料を少量つけ、ティッシュなどで余分な塗料を落としてから、パーツへ軽く押し当てるように色を置いています。最初から強く付けるのではなく、少しずつ増やした方が調整しやすくなります。
狙うのは、装甲のエッジ、角、可動部の周辺など、実際に擦れたりぶつかったりしそうな場所です。面の中央へ均等に点を増やすより、「傷が付きそうな理由」がある場所へ集中させた方が自然に見えました。



MG強化型ZZ Ver.Kaではブラックとチタンシルバーを使いましたが、白い部分ではチタンシルバーがほとんど分からず、濃いブルーではブラックが目立ちませんでした。色剥がれ表現は、使う色そのものより基本色との明暗差を見る必要があります。
ウォッシング|全体へ汚れのムラを作る
私の場合は、塗装済みのキットへエナメル系塗料をエナメル溶剤で薄め、筆などで全体へ塗ります。乾いたら、エナメル溶剤を少量含ませたティッシュや綿棒を使い、こするというより軽く叩くような感覚で塗料を落としていきます。
完全に均一に拭き取らず、少し塗料を残すことで、装甲表面へ汚れのようなムラができます。地上で活動する機体ではブラウン系を使うと、土や砂の雰囲気を作りやすくなります。
関節やパーツの合わせ目などへエナメル系塗料や溶剤が入り込むと、プラスチックをもろくして破損につながることがあります。必要以上に溶剤を付けず、隙間へ流れ込ませないこと、入り込んだ場合はしっかり拭き取ることを意識しています。


ソリッド塗装から、チッピングとウェザリング材へ
ガンダムエクシアでは、グラデーションを使わずにベタ塗りで基本色を作り、そのあとウェザリングを加えています。ダークグレーをスポンジの角につけ、パーツの角へ軽く置くようにチッピング。その後、チッピングした場所を意識してウェザリングマスターを重ねました。



実際の作業動画
スス汚れは、必要な場所へ薄く足す


スタークジェガンでは、チッピングのあとにエナメルのフラットブラックをかなり薄め、バーニア付近や関節部分へエアブラシで吹いています。ここではススやオイル汚れを意識しました。
色が出すぎると不自然になりやすいため、黒く塗るのではなく「ほんのり残す」程度で止めています。
ウェザリング材は、傷の周囲へ重ねる
F2ザクやエクシアでは、スポンジで作ったチッピング部分を意識しながらウェザリング材を加えています。ゴッグではウェザリングマスターBセットのススとサビを使い、さらに部分的に薄いエナメルブラックをエアブラシで加えました。


失敗から分かったこと
汚しを重ねすぎると、下の塗装が弱く見える
MGゴッグでは、水中迷彩を入れたあとにチッピング、スス、サビ、エナメルブラックなどを重ねました。完成時には重量感が出た一方、水中迷彩の存在感はかなり弱くなりました。
汚しを重ねるほど情報量は増えますが、もとの塗装や迷彩を隠してしまうこともあります。どの表現を最後まで残したいかを決めて、途中で全体を確認する方が調整しやすくなります。
4つのウェザリングを使い分ける
まとめ|ウェザリングは「汚す量」ではなく「汚れる理由」を決める
F2ザクでは缶スプレー塗装からウォッシングとチッピングを行い、エクシアではソリッド塗装へスポンジチッピングとウェザリング材を追加しました。スタークジェガンではシャドー吹き、グフではウォッシング、ゴッグでは汚しを重ねたことで水中迷彩が弱くなった反省も残っています。
ウェザリングは、エアブラシがなくても始められます。まずは「傷を作りたいのか」「全体を汚したいのか」「ススや土を足したいのか」を決めると、必要な技法を選びやすくなります。
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