ガンプラの下処理
ゲート・ヒケ・パーティングラインを、どこまで処理する?
ガンプラをきれいに仕上げるために重要なのが、パーツの下処理です。ゲート跡や表面の凹凸を整えることで、組み立てや塗装後の仕上がりを良くできます。
ただし、僕はすべてのパーツに、すべての下処理を行う必要はないと考えています。この記事では、MG ウイングガンダムゼロ EW Ver.Kaの制作例から、必要な作業を選ぶ考え方を紹介します。
必要な処理を選ぶ工程です。
この記事でわかること
ガンプラの「下処理」とは?
ランナーから切り出したパーツには、ゲートの切り残し、ヒケ、パーティングラインなどが残ることがあります。これらを確認し、自分の完成目標に合わせて整える作業が下処理です。
作業の順序は一例です。仮組しながら目立つ場所を確認して、必要な部分だけ下処理へ戻っても構いません。塗装せずに組み立てて完成させる場合も、見えるゲート跡と組み立てに影響する切り残しを確認します。
まずはランナーからパーツを切り出す
ランナーとパーツをつないでいる部分が「ゲート」です。プラモデル用ニッパーで切り出します。
外装など、切断跡をきれいにしたい場所では、まずパーツから少し離れた位置で切り、ゲートを残して切り出す方法があります。その後、残したゲートを短くするのが二度切りです。

この写真は筆者の制作方法の一例です。ニッパーの形状や推奨する使い方は製品によって異なります。切断時の負荷で白化やえぐれが起きることがあるため、仕上げたい外装ではゲートを残して切り出す方法を選びます。
二度切りは全部のパーツに必要?
僕は、二度切りをすべてのパーツに行っているわけではありません。今回のWing制作では、塗装前提で、完成後に外装で隠れる内部フレームの二度切りを基本的に省略しています。

見えない場所でも、組み立てへの影響は確認
見た目を整えるための処理は簡略化できても、ゲートの切り残しがパーツ同士の組み合わせを邪魔する場合は処理します。無理にはめ込まず、干渉している場所を確認します。
外装パーツはゲート跡を確認しながら処理する
外装は完成後に見える部分が多いため、ゲートを残して切り出し、二度切りとヤスリ処理を必要な場所へ行います。



パーツ際で一気に切りすぎると、表面をえぐることがあります。少しずつ整え、周囲の面まで削りすぎないよう確認します。
ゲート跡を処理する
切り残した出っ張りをヤスリで少しずつ削り、周囲の面とつながるように整えます。パーツをしっかり支え、削っては確認することを繰り返します。
平らな面は当て板や硬いヤスリを使うと、面を保ちながら作業しやすくなります。曲面では形状に合わせて工具を選びます。
出っ張りと白化は別の問題です。ゲートの出っ張りを削っても、樹脂の内部まで白化している場合は跡が残ることがあります。塗装せずに仕上げる場合は、跡を追いかけて削りすぎないことも大切です。
ヒケは目立つ場所を優先して処理する
ヒケは、成形されたパーツの表面にできた小さなくぼみです。光を斜めから当てると、面のゆがみとして見つかることがあります。
浅いヒケは周囲の面をヤスリで整える方法があり、深いものはパテなどで埋める方法もあります。ただし、削りすぎると形状や厚みが変わるため、状態を見て選びます。
小さなヒケをすべて消す必要はありません。完成後に見える外装や、塗装後に目立ちそうな広い面を優先します。隠れる場所や仕上がりへの影響が小さい場所は、今回は省略する判断もできます。
パーティングラインを処理する
パーティングラインは、金型の境界に沿ってパーツ表面へできる線です。細い段差や筋として残ることがあります。
不要な線は、ヤスリなどで周囲の面となじませます。デザインナイフで少しずつ削る方法もありますが、刃物の扱いに慣れていない場合はヤスリから始めても構いません。
キットのディテールや意図された段差まで消さないよう、説明書や反対側のパーツも確認します。
合わせ目は消すべき?
合わせ目は、複数のパーツを組み合わせたときにできる境目です。すべて消すのではなく、完成後の見え方やデザインを見て判断します。
段落ちモールドとして残す方法や、ディテールの一部として扱う方法もあります。気になる場所だけ接着・整形する方法も選べます。
塗装する場合は、先に接着すると内部を塗りにくくなることがあります。合わせ目を消す前に、組み立て順序と塗装の順序も確認します。
全パーツをヤスリがけする必要はある?
僕は、すべてのパーツを同じようにヤスリがけする必要はないと考えています。ゲート跡、ヒケ、不要な線など、仕上がりに影響する場所から処理します。


ヤスリがけをすれば表面が必ずきれいになる、というわけではありません。粗い傷が残れば、次に細かいヤスリで整える必要があります。塗装しない場合はツヤも変わるため、自分が目指す仕上げに合わせます。
迷ったら、4つの基準で判断する
まず、組み立てに影響する?
- 完成後に見える?
- 塗装すると目立つ?
- 処理すると仕上がりが良くなる?
3項目すべてがYESである必要はありません。仕上げ方と、自分が気になる程度から選びます。
下処理に使う工具
最低限
プラモデル用ニッパーパーツをランナーから切り出し、残したゲートを短くするために使います。
ヤスリゲート跡や不要な凹凸を、少しずつ整えるために使います。
あると便利
デザインナイフ狭い場所などの細かな処理に使う方法があります。刃先の進行方向に指を置かず、無理に力をかけません。
当て板紙ヤスリを支え、平らな面を保ちながら削るために使います。
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切り出し・二度切りに使うニッパー
ゲートを残して切り出し、その後に短く整える作業に使います。刃先の形状や扱い方を確認し、切る場所に合わせて使用します。
ゲート跡を整えるヤスリ
ゲートの切り残しを少しずつ整えるときに使います。SOFT-2は柔軟なタイプなので、平面の形状を保ちたい場所では硬いヤスリや当て板も使い分けます。下のカードは細型の#600です。
最初から工具をたくさんそろえる必要はありません。今ある工具で作業し、不便に感じたところから追加していけばよいと思います。
下処理後にパーツは洗浄する?
下処理後の洗浄は、すべてのパーツに必須とするのではなく、削り粉や汚れの状態を見て判断します。
削り粉が残っている場合は、まず柔らかいブラシなどで取り除きます。洗浄が必要なら中性洗剤などを使い、十分にすすいで乾燥させます。水が残った状態で組み立てや塗装を進めないようにします。
MG ウイングガンダムゼロ EW Ver.Ka
同じキットでも、パーツの役割によって下処理を変えています。
内部フレーム
完成後に隠れる部分が多いため、基本的に二度切りを省略。必要な場所をヤスリで整えます。
外装パーツ
完成後に見えるため、ゲート跡を確認しながら二度切りと必要な表面処理を行います。
共通するのは、組み立てに影響する切り残しは処理すること。
これは、仕上がりに効果のある作業へ時間を使うためです。すべてを同じ方法で処理することが、丁寧な制作とは限りません。
まとめ|下処理は「全部やる」より「必要な処理を選ぶ」
迷ったときは、完成後に見えるか、塗装すると目立つか、処理すると仕上がりが良くなるか、組み立てに影響するかを確認してみてください。
見えないゲート跡なら、見た目を整える作業は省略できるかもしれません。しかし、その切り残しがパーツの組み合わせを邪魔するなら処理が必要です。
大切なのは、何のためにその処理をするのかを考えること。
最初から完璧を目指して作業が止まってしまうより、まず一体完成させてみる。そして「次はもう少しゲート跡を整えたい」「ヒケも処理してみよう」と、少しずつ工程を増やしていけばいいと思います。
次の工程|サーフェイサー
塗装する場合は、下処理後にサーフェイサーへ進みます。表面の色がそろうと、下処理中には気づかなかった傷やヒケが見つかることもあります。
一度ですべて完璧にする必要はありません。状態を見て、必要なところへ戻って構いません。
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